2018年11月から日本でも YouTube Premium(ユーチューブ・プレミアム)のサービスが開始されました。
なぜか「広告なし」が喧伝されていますが、個人的には「バックグラウンド再生」と「オフライン再生」のほうが嬉しいサービスです。
PCかつGoogle Chrome限定ですが、「動画広告をスキップ」だけならプレミアム登録しなくても実現できます。下記の記事を参考にしてください。
PCブラウザでYouTubeの動画広告を表示しない(スキップする)方法
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ここからが本題で、色々と魅力的なYouTube Premiumですが、「iOS(iPhone / iPad)のYouTubeアプリから登録すると月額料金が高い」という点に注意してください。年間でかなりの差額になります。
今回は、この 「iOSアプリ」と「それ以外(Android版YouTubeアプリやブラウザやPC)」で提示されている価格が違う点について詳しく調べてみました。
iPhone / iPad(iOS)のアプリのみ月額料金が異なります
まず結論ですが、今回の YouTube Premium の月額料金は「iOSのYouTubeアプリのみ高い」という設定になっています。
ただ、これはGoogleがApple製品ユーザーを不利に扱おうとしている訳ではなさそうです。GoogleはAppleに多額の費用を払ってSafariの標準検索エンジンをGoogleにするなど、GoogleとAppleはライバルでもありパートナーでもあります。こんなつまらないところで火種は作らないでしょう。
OS / デバイス・チャネルごとの価格について
次に、OS(PCはデバイス)とチャネルごとの有料メンバーシップ価格を並べてみました。
OS / デバイス | チャネル | 価格(月額) |
iOS | YouTubeアプリ | 月額 1,550円 |
Safari(ブラウザ) | 月額 1,180円 | |
Android | YouTubeアプリ | 月額 1,180円 |
Chrome(ブラウザ) | 月額 1,180円 | |
PC | ブラウザ | 月額 1,180円 |
これを見ると明らかなように、iOSのYouTubeアプリのサブスクリプション(月額料金)だけが高くなっています。
ただし、本家アメリカのYouTube Premiumは月額11.99米ドル(1米ドル=113円換算で1,354円)なので、実は日本の価格は最初から少し良心的です。
支払方法による料金の違いというのは珍しくなく、ニコニコ動画のプレミアム会員もApple ID決済だと720円(クレジットカード決済は540円)です。
価格の違いは Appleプラットフォームに原因がありそう
アプリ内課金あり・月額課金のiOSアプリに携わったことのある人なら知っている内容ですが、iOSアプリの決済はAppleのプラットフォーム上で行なうことが原則となっています。
そして、その決済に対してはプラットフォーマーの Apple が手数料を徴収していて、その手数料率は初年度30%という非常に高い料率となっています。1,000円の月額課金(自動更新サブスクリプション)に対して300円を手数料として徴収するわけですね。
その利用者の課金が2年目以降になるとAppleへの手数料は15%まで減額されますが、それでも高いと個人的には感じる水準です。デジタルコンテンツとはいえ、15%・30%の手数料は収益インパクトの大きな費用でしょう。
上記のような事情があるため、YouTube側はiOSアプリの価格のみ他のチャネルより高い価格設定にしていると思われます。
Appleの決済プラットフォームの料金分だけ上乗せされているに見えるわけですが、Appleの決済は手数料の価格転嫁については厳しくないのかも知れません。クレジットカードの場合、クレジットカードの決済手数料を料金に上乗せするのは加盟店契約で禁止されている御法度です。
結論は変わらず、プレミアム登録は iOSの YouTubeアプリ以外から
誰が何を言っても、iOSのYouTubeアプリからYouTube Premiumに登録するメリットはありません(Apple IDによる決済が便利だとしても)。
SafariからYouTubeにアクセスして、そこからGoogleアカウントの決済でプレミアム登録をしましょう。それだけで月額370円も安くなります。
クレジットカードを持てない(持たない)人も、今はVISA・Master・JCBのデビットカードがあるので、国際ブランドのカードを持つことはできます。ちなみに、支払には Google Playの残高も使えます。この手間を惜しんではいけません。
月間370円の違いは年間4,440円の違いになるので、このお金でGoogle PlayやApp Store・iTunesのコンテンツでも買いましょう。