前回、ほうれい線の原因は加齢と日常生活が原因で、残念ながら誰もが避けられない道であることを書きました。ただ、日々の生活で悪化しないよう気を付けることで、発生を遅らせたり予防することは可能です。
これ以上シワを深くしないで!ほうれい線を予防する方法まとめ
続きを見る
これからも年齢を重ねることは間違いないので、ほうれい線予防は怠らないようにしましょう。
一方で、既にほうれい線が目立っている、もしくはシワが気になり始めた人にとっては、これからの「予防」よりも、一刻も早く目の前にあるシワを消し去りたいですよね。
改善するための方法は、化粧品・顔の運動・外科的な手法(整形手術)など色々な方法があります。
数ある対策のうち、米国医師会雑誌(JAMA)で発表された研究結果など、科学的な裏付けのある方法もあるので、ぜひ自分が無理なくできる方法を探してみてください。
ほうれい線(シワ)を目立たなくする方法
まずは、今回ご紹介する「ほうれい線を目立たなくする方法」です。
- フェイス・エクササイズ
- 市販薬の薬用化粧品
- ヒアルロン酸注射(美容整形)
- フェイス・リフト(美容整形)
即効性や効果に違いはあれど、フェイスリフトのようなメスを使った手術を除いては「長期間効果を期待できるものではない」ということに留意してください。
ほうれい線との戦いに終わりはないということで、不断の努力が欠かせません。
フェイス・エクササイズ
まずはフェイス・エクササイズ(顔の運動)です。
人の顔は口を動かすための筋肉をはじめ、多くの筋肉で支えられていますが、日常生活ではその筋肉のほとんどが使われていません。
そんな運動不足な筋肉を使い、顔を引き締めてシワ目立たなくしようというのが狙いです。
貼るだけで腹筋が鍛えられるという Six Pad で有名なMTGが出している PAO(パオ)が、表情筋の強化でシワをなくそうとするトレーニング器具ですね。
筋トレに詳しい身として「Six Pad は絶対に効果がない」と言い切れますが、PAOは純粋に「顔の筋トレ」なので「94%が効果を実感」というアンケート結果も当然でしょう。何歳になっても筋肉は裏切りません。
口輪筋の強化
口輪筋というのは口の周りにある筋肉で、この筋肉を鍛えることで、口の両端にできるほうれい線を目立たなくすることができます。
- 両手の人差し指を口の両端に置きます
- 置いた指を外側に優しく1cm程度引っ張ります
- その動きに抵抗するように、口の両端を内側に寄せます
- この状態を5-10秒キープします
- 4の後は筋肉をリラックスさせ、また1~4を繰り返します
- これを10~25回を目標に行います
これは筋トレで言う軽い負荷のレジスタンス運動ですね。
口輪筋に指で負荷をかけて、それに口輪筋を使って抵抗することで鍛える方法です。実際にやってみると、口輪筋に「入っている(効いている)」のが分かるでしょう。
レジスタンス・スマイル
この運動も口輪筋を鍛える方法です。
- 口の横のほうれい線の上に人差し指をしっかりと置きます
- くちびるを離して口を横に広げて笑い顔を作ります
- この状態を5秒間維持します
- 3の後は筋肉をリラックスさせ、また1~3を繰り返します
- これを30回行なってください
これも口輪筋に対して指で負荷を作り、その負荷に抵抗することで筋肉を鍛えようとするものです。
先ほどのエクササイズは、口を内側に寄せようとするものでしたが、このエクササイズは口を外側に広げようとする運動です。
笑顔で口角を開こうとする動きを、指で押さえつけて動かないようにするのがポイントです。
これも繰り返すうちに、筋肉に「入っている(効いている)」のを実感できますね。
顔の引き上げエクササイズ
これは最も効果があるエクササイズの一つとして紹介されていたものです。
3 Best Exercises To Reduce Laugh Lines - STYLECRAZE(英語)
- 目の端(外側)に親指を置いて、残りの指を頭頂部に置きます
- 目をつぶって、親指で肌を頭頂部に向かって引き上げます(ほうれい線が消える程度)
- この状態を5秒キープします
- これを10回行ってください
上2つにあったレジスタンス運動ではなく、これは顔をリフトアップさせるエクササイズです。
市販薬の薬用化粧品
既にできてしまったほうれい線を緩和する方法としては、2007年5月に米国医師会雑誌(JAMA)にシワの改善に関する研究結果が発表されています。今となっては常識とも言える内容です。
その内容は、「レチノール(ビタミンA)が0.4%配合されたクリーム(ローション)を週3回・半年間使用した患者は、ほうれい線・シワが大きく改善した」というものでした。
Improvement of Naturally Aged Skin With Vitamin A (Retinol) - JAMA Dermatology(英語)
上記論文のレチノール含有率は0.4%で有意な効果があったということなので、巷にあるシワ対策の化粧品であれば十分に配合されていると思って問題ないでしょう。
ヒアルロン酸注射(美容整形)
ヒアルロン酸注入はほうれい線を改善する方法の定番です。
10分程度の施術ですぐに効果を実感することができますが、効果の持続期間は3ヶ月~12ヶ月が一般的です。
価格は注入する量によりますが、来院当日に施術でき、数万円程度で手軽に行えます。基本的にはダウンタイム(腫れ・むくみが治まるまでの回復期間)もありません。
まずは専門家へのカウンセリングを予約をして、自分のイメージする出来上がりの姿を相談しましょう。
フェイス・リフト(美容整形)
今は「切らないフェイスリフト」もありますが、ここではメスによる切開を伴うフェイスリフトを取り上げています。
フェイスリフトとは、一般的に耳(もみあげ)の部分を切開して皮膚を引っ張り上げる美容手術です。ほうれい線以外のシワ・たるみなどにも大きな効果があり、他の方法に比べて効果も非常に長く続きます。
ただし、費用も高いことに加えて、手術後のダウンタイムが長い(傷口は3ヶ月程度必要)こともあり、ヒアルロン酸注入ほど手軽に受けられるものではありません。
基本的には50代以降で皮膚のたるみが気になった人が受けるもので、「ほうれい線が気になる」程度で気軽に受けるものではありません。
ほうれい線を薄くする方法まとめ
ほうれい線は、あるだけで見た目が老けてしまう大きな要素です。
ただ、長い年月をかけて作られたシワを、即効かつ自然になくすことはできません。そして、ほっておくと悪化する一方です。
年齢による影響からは逃げられないので、今あるシワに対する対策を続けながら、悪化しないように予防を続けるしか選択肢はありません。
これ以上シワを深くしないで!ほうれい線を予防する方法まとめ
続きを見る
今回ご紹介した顔のエクササイズや、効果に関する科学的な裏付けのあるレチノールが配合された美容液で、毎日のケアを怠らないようにしてください。
ヒアルロン酸注射やフェイスリフトのような即効性のある方法は、今でなくてもいつでも受けられます。
まずは自分の努力で継続的にケアすることが重要です。