置いておくスペースが必要なので人によっては難しいかも知れませんが、自宅トレーニングでダンベルを使っている人はトレーニングベンチを使いましょう。
ウェイトトレーニング用のベンチがあるだけで、狙って鍛えられる部位やトレーニング強度のバリエーションを圧倒的に増え、ウェイトトレーニングの効率を高めることができます。使わないとダンベルがもったいないと言っても過言ではありません。
初心者であるほど想像以上の早さで筋力が上昇するので、自宅トレーニングで使うダンベルは可変式ダンベル(アジャスタブル・ダンベル)をオススメします。どんどん重いダンベルを買い増していく財布の余裕と置いておくスペースがない限り、重量が固定されたダンベル(いわゆる鉄アレイ)はオススメできません。
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筋トレ初心者の自宅トレーニングには可変式ダンベルの一択です
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ということで、今回はまだトレーニングベンチを持っていない人に向けて、「ベンチとダンベルを使ったトレーニング」と「トレーニングベンチの選び方」をお伝えしたいと思います。
ベンチを使うことで増えるトレーニング種目
まず最初はトレーニングベンチがあることで可能になる筋力トレーニングのメニューです。
椅子などでも代替できそうな種目は省略し、ここでは椅子よりもトレーニングベンチを使った方が良いものを載せています。ここにある種目については、ベンチを使った方が効率的に狙った部位に刺激を与えられるメニューです。
- ダンベルベンチプレス
- ダンベルフライ
- インクライン・ダンベルベンチプレス
- デクライン・ダンベルベンチプレス
- インクライン・アームカール ※
- インクライン・ハンマーカール
- インクライン・サイドレイズ
- インクライン・リアレイズ
- インクライン・リアローイング ※
- ダンベル・ショルダープレス
- アーノルドプレス
※をつけた種目は可変式ダンベルではやりづらいトレーニングです。どうしても可変式ダンベルは幅があるので、動きによってはベンチの縁に当たってしまうという難があります(アジャスタブルダンベル唯一の欠点です)。
他にもダンベル・トライセプスエクステンションなど、上記一覧からは省略しましたが個別の部位を鍛える方法は色々とあります。弱点や集中して鍛えたい箇所を狙って、ぜひトレーニング方法を開拓してみてください。
続いては、上記のトレーニングを効率的に行うためのベンチの選び方です。
トレーニングベンチの選び方
トレーニングベンチがあると筋トレの幅が広がることが分かったところで、そのトレーニング効果を最大化できるベンチについて説明したいと思います。
とは言え、トレーニングベンチは機能面では差別化しづらいものなので、必要最低限の機能さえあれば十分でしょう。ゴチャゴチャと余計なものが付いたものは不要です。
自分の身体に対して下記4点のスペックを満たしていれば、基本的には値段が安いものを買っても問題はありません。
- 耐荷重が十分であること(自分の体重+ダンベル2個)
- インクラインができること(背中部分が上がる)
- お尻の部分も斜め上げられること
- お尻から頭を余裕もって乗せられること
上記4つを満たす商品であれば、その他は自分が「本当に使うと思うもの」以外は余計なものになるでしょう。機能の多さは必ずしも万能を意味するわけではありません。
「デクライン(背中部分が下がる)」「持ち運び用の車輪」「横から出たバー」「足をかけるバー」などは基本的に不要なものだと思ってください。移動用の車輪以外、ベンチさえあれば少しやり方を変えれば代替したトレーニングを行うことができます。
それでは、トレーニングベンチ選びのポイントとして挙げた内容について、選ぶ際に確認しておきたい観点を説明していきたいと思います。
耐荷重が十分であること
これまで耐荷重に問題がありそうな商品を見かけたことはありませんが、耐荷重はトレーニングの安全性において重要です。変なものをつかまないようにしてください。
通常は300kg~800kgくらいの耐荷重量があるはずですが、これよりも耐荷重が低い商品は自分の体重と使用ダンベルなどの重量を考えて選びましょう。ベンチにかかる負荷は自重とダンベルなどのトレーニングギアの重さです。
あとは、頑丈な製品になるほどベンチ自体の重さもあるので、重量のあるベンチにすると使用のたびに移動させたりする場合に少し気になるかも知れません。
インクラインができること
このインクライン(Incline)ができることは非常に重要です。最重要と言っても過言ではありません。
ダイニングテーブルのベンチにも使えそうなトレーニングベンチ(フラットベンチ)もありますが、必ず背もたれ部分が何段階かの角度に変えられる(起こせる)ベンチを選んでください。アジャスタブルベンチ(Adjustable Bech)と言われるものです。
インクラインのできるベンチで可能になる種目は下記のようなものが挙げられます。
- インクライン・ダンベルベンチプレス
- インクライン・アームカール
- インクライン・ハンマーカール
- インクライン・サイドレイズ
- インクライン・リアレイズ
- インクライン・リアローイング
上記の中でインクライン・ダンベルベンチプレス以外は、ベンチを使ったインクラインでなくても行える種目ではあります。
しかし、これをインクラインにしたベンチで行うことによるメリットも少なからずあります。それは「インクラインにすると重い重量を扱えなくなる」と言う点で、これは自宅トレーニングには非常に大きなメリットです。
例えば、スタンディングでのサイドレイズで15kgを扱っているとしても、インクライン・サイドレイズにすると 10kg程度しか扱えなくなるでしょう。これにより、自宅にあるダンベルの重さを長く活かせるようになります(重いダンベルを買い増さなくてもいいということです)。
ジムのように軽い重量から重い重量まで揃えられる環境なら良いですが、自宅では限られた道具を有効活用しないといけません。その点で、重量を抑えながら高い効果のトレーニングができるというのは、非常に大きなメリットになります。
インクラインとは反対に、背もたれを下に倒せるデクライン(Decline)ができることは必須ではありません。デクライン・ダンベルベンチプレスのようなトレーニングもありますが、フラットな状態で脚を乗せて自分でデクラインの状態を作ることで代替できます。
お尻の部分も斜めに上げられること
インクライン系の種目を行う際、地味に重要になるのがお尻の部分も角度をつけられることです。
フラットなままでもトレーニングできますが、重量を扱う種目の場合にお尻が前に滑ってしまうことがあります。そうなることでフォームが崩れて正しく負荷が乗らないならまだしも、態勢が崩れてダンベルをコントロールできず思わぬ怪我につながる可能性もあります。
正しいフォームでトレーニングするためにも、お尻の部分を持ち上げられるベンチを選ぶようにしてください。
お尻から頭を余裕もって乗せられること
ダンベルベンチプレスを中心に、トレーニングベンチでは後頭部・背中(広背筋上部)・お尻(尾てい骨)を乗せて支点にします。そのため、その3点が乗るのに十分な長さがあることを確認しましょう。
横になったときにお尻が乗らない・頭が乗らないと、トレーニング種目によっては支障をきたす(危ない)ので注意してください。
自分の身長によると思いますが、身長の半分くらいの長さは必須になるでしょう。尾てい骨をベンチの端ギリギリに載せないと頭が乗らない場合、開始前にお尻の位置に気を配らないといけなくなり、トレーニングの集中力に支障をきたすので要注意です(私の失敗談です)。
オススメのトレーニングベンチ
ここまで説明してきたとおり、トレーニングベンチは「頑丈・インクライン・シンプル」であれば、特にメーカーなどは気にせず安くても問題ありません。予算としては 1万円~2万円で十分ででしょう。
ということで、何か一点を「オススメ」とするのは難しい(特に必要ない)ですが、その中でも参考までに身長176cmの私が2台目として購入して、現在も愛用しているベンチをご紹介しておきます(そもそも売れ筋ランキング上位の商品です)。
こちらの商品はデクラインもできますが、私には不要かつ使ってこともありません。また、レッグレイズ用にベンチの横にバーを取り付けられますが、これも外したまま一度も付けていません。要らないものは使わなければいいとして、これはシートのクッションに厚みがあるのでオススメです。支えが太いためガタガタしたり揺れたりもせず、圧倒的な安定感を感じられるのも良いでしょう。
トレーニングベンチで迷うポイントは多くないと思うので、ベンチ自体に多くのことは求めず、シンプルにダンベル運動の幅を広げる目的に絞って選べば失敗することはありません。
ぜひ、トレーニングベンチで自宅トレーニングの幅や効率を高めてください。