RuntasticがAdidasに買収されたことにより、記事中で紹介しているスマホアプリの提供は中止されています(再配信される見込みもありません)。
男性ならキレイに6つに割れた大きな腹筋に憧れますよね。いわゆる「シックスパック(Six Pack)」です。
そんな素敵な腹筋があれば、海でも山でも人前で自信をもって脱げるでしょう。
さて、そんな誰もが憧れる腹筋ですが、「簡単に」「貼るだけで」「1ヶ月で」というような売り文句は基本的に話半分に聞いてください。
誰でもシックスパックを手に入れることはできますが、それには相応の努力が必要なのは間違いありません。
今ある脂肪と腹筋の量にもよりますが、本当に「男らしいシックスパック」にするには最低3ヶ月~半年は見ておきましょう(夏に向けて準備する場合、体型によっては年明けから頑張る必要があります)。
また、「お腹だけの部分痩せはありえない」ということに気を付けてください。部分痩せは科学的にありえません。
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今回は、その努力を少しでも効率的にすることを目的として、シックスパックの作り方の基本的な考え方と、スマートフォンのアプリを使った腹筋のトレーニング方法をご紹介したいと思います。
シックスパックを作るために必要なこと
まずはシックスパックを作るための説明からです。立派なシックスパックを形成するための条件は、下記の2つだけです。
- お腹周りの皮下脂肪が少ないこと(必要条件)
- 腹筋が十分に大きいこと(十分条件)
本当にこの2つを満たすだけで、憧れのシックスパックを手に入れることができます。
- 必要条件は、シックスパックを作るうえでの絶対条件です
- 十分条件は、満たしていることが好ましい条件です
もちろん、これを満たすための「努力」も必要条件ですね。
それでは、それぞれ具体的に何が必要かを説明していきます。
お腹周りの皮下脂肪が少ないこと(必要条件)
これは単純に「皮下脂肪が多いと腹筋が割れて見えない」という話です。
腹筋の内側にある内臓脂肪と違って、皮下脂肪は腹筋の上にあるため、そこに厚みがあると立派な腹筋があっても浮き出て見えないということですね。
圧倒的な筋肉量を誇るプロレスラーでも、腹筋がバキバキに割れているような選手はほとんどいません。これは技を受けることが求められるプロレスというスポーツの特性上、全体的に脂肪もつけて衝撃を和らげる必要があるためです。
一方、体重制限のあるボクサーは、計量までに必要最低限まで脂肪を落とすため、計量時は鍛え上げた腹筋が見事なシックスパックを形成していますね。もちろん、ボディーブローを受ける腹筋の筋肉量は申し分ありません。
このことからも分かるとおり、腹部にある筋肉の量に関係なく、皮下脂肪が多いとシックスパックになるのは難しくなってしまいます。
反対に、腹筋自体は多かれ少なかれ誰にでもあるので、皮下脂肪さえなければ誰でもシックスパックになることは可能です(女性でも)。ただし、「腹筋が割れて見える」だけで、憧れるようなシックスパックとはイメージが違うでしょう。
皮下脂肪を減らして割れた腹筋を見たいだけであれば、腹筋とは関係なく、効率よく痩せるためのスクワットだけしていても実現できます。
ダイエット目的のスクワットはスマホアプリのLeg Trainerにお任せ
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急ぐのであれば有酸素運動(ジョギングやスイミング)をするのが、皮下脂肪を落とす方法としては最速ですね。ただ、次に書くことも覚悟してください。
キレイな凹凸のために腹筋が大きいこと(十分条件)
皮下脂肪が少なければ、誰でも腹筋が割れているようには見えます。いわゆる「痩せ割れ」と言われる状態ですね。
トレーニングしている人は、「痩せ割れ」がシックスパックを名乗るのを冷たい心で温かく見守っています。
どんな人でも、「白線(はくせん、Linea alba)」という縦の線と、「腱画(けんかく、Tendinous intersection)」という横の線でシックスパックの形になっています。
腱画の数は遺伝によって異なり、シックスパックの人もいればエイトパックになる人もいます。
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「痩せ割れ」を目指すのであればいいですが、人に見せて驚かれたり褒められるようなシックスパックは、やはり盛り上がった腹筋でキレイな凹凸(おうとつ)がある状態でしょう。
腹筋が隆起することで凹凸ができ、腹筋と腹筋の間の溝が深くなるため、陰影の関係でシックスパックがキレイに見えるようになります。さらに、ボディビルダーのように肌を褐色にすることで、その陰影が強調されて見栄えが良くなりますね。
そして、その見栄えの良い腹筋を作るためには、腹筋に負荷を与えて地道に鍛えるしかありません。
カッコイイ腹筋は一つの運動だけでは作れません
「腹筋を鍛える」と聞いて、何をすればいいのか分かりますか?
横になって上体を起こす腹筋運動(シットアップ, Sit ups)は誰でも思い浮かぶと思いますが、あれは数あるトレーニングの中でも初心者が腹直筋上部を鍛えるための種目です。
腹筋は、「腹直筋(ふくちょくきん)・外腹斜筋(がいふくしゃきん)・内腹斜筋(ないふくしゃきん)・腹横筋(ふくおうきん)」という4つの部位で構成されていて、両サイドが引き締まっているほどフロントの腹直筋が協調されるので、トレーニングでは腹筋全体を鍛えるようにしましょう。
トレーニングしていない人や割れた腹筋を作りづらい女性が見ても、「痩せて腹筋が浮き出ている」のと「鍛えられたシックスパック」は明らかに違うのは分かります。
腹斜筋や腹横筋は聞いたこともない人もいるでしょうが、これを効率的に鍛える方法はプロ(が作ったアプリ)にお任せすれば大丈夫です。
腹筋のトレーニングメニューは Six Pack にお任せ
それでは、実際に腹筋を鍛える方法ですが、これはスクワットの記事でも書いた Runtastic(ランタスティック) のアプリをオススメしています。
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スクワットは "Leg Trainer" というアプリでしたが、腹筋の場合は "Six Pack" というストレートな名前の腹筋専用アプリを使います。
どちらも Runtasticアカウントと紐づけられるので、Runtasticの公式サイトでトレーニング内容を振り返ることが可能です。
スマートフォンさえあれば使うことができるので、自宅でも旅先でも計画的に腹筋を鍛えることができますね。
レベル1までは無料で使えるので、役に立ちそうだと思ったら購入してみてください(iOS版600円・Android版470円)。
鍛えたことがない人は、初めて感じるであろう脇腹の筋肉痛を楽しんでください。そこにも筋肉があるんです。
Six Packを使うことのメリット
デメリットが思い浮かばないくらいアプリを使うメリットが大きいと思っているので、まずは簡単にメリットをまとめてお伝えします。
- スケジュールを管理してくれます
- 腹筋全体(4つの部位)を鍛えることができます(ビデオ付き)
- トレーニングのメニュー・回数・インターバルを教えてくれます
百聞は一見にしかずで、実際に使ってみたら分かると思いますが、スケジュールからメニューまで全てアプリが指示をしてくれます。
トレーニング初心者でも無理なく始められるように、負荷の小さいトレーニングメニューを少ない回数から始められるので安心です。
もちろん、続けていくと強烈な負荷と回数を求められるようになるので、トレーニング経験者も満足できる内容になっています。
内容についていけなくなったら、前のレベルに戻って繰り返しトレーニングしてください。これは他の人は関係のない自分専用のトレーニングです。
筋肉痛があるときは休みましょう
スクワットのときにも書きましたが、筋肉痛か残っているときはトレーニングをせず休みましょう。
腹筋は回復の早い筋肉なので毎日トレーニングできる部位です。アプリも連日のトレーニングをスケジューリングしてきます。
ただ、そうは言っても筋肉痛は普通に起こるので、そういうときは迷わず休みましょう。
筋肉痛をかばってフォームが崩れたら狙った箇所に正しい負荷がかからなかったり、おかしなフォームで続けると腰や筋を痛めたりする可能性もあります。
トレーニングをスキップした場合でも、アプリはその後のスケジュールを自動的に調整してくれます。心配いりません。
トレーニングにあたっての準備
トレーニングはアプリに完全にお任せでいいのですが、筋トレ全般と腹筋のトレーニングに必須なアイテムも可能な限り用意しておきましょう。
フォームの崩れと腰を痛めないためにもマットは必須です
自宅でトレーニングする場合、正しいフォームでトレーニングをするためにもトレーニングマットを用意するようにしてください。ピラティスやヨガに使うマットで問題ありません。
フローリングは論外として、カーペットなどの硬い床でトレーニングすると、どうしてもお尻や腰が痛くなるためフォームが崩れてしまいます。メニューによっては、マットがあっても腰や肘が痛くなるくらいです。
腹筋運動でのフォームの崩れは、腰を痛める原因に直結する重大な問題です。
腹筋のトレーニングはヨガなどより一点に重量がかかるので、厚さ6mmなどの薄いのは避けて、10mm以上でなるべく厚みのあるマットをオススメします。12mmあれば十分でしょう。たまに見かける40mmのような厚手のものは、必要以上に身体が沈むので個人的に好きではありません。
Six Pack のアプリだけでも腹筋を割る程度なら十分に可能ですが、さらに大きな筋肉を作るためにはアブローラー(腹筋ローラー)を使ってみてください。
同じ自分の体重が負荷になる自重ですが、アブローラーはより強烈な刺激を腹筋に与えることができます。ボディビルダーやフィジークの選手でも使っている人がいるほか、ボクサーのメイウェザー選手も愛用者という話です。
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トレーニング後はタンパク質の摂取も忘れずに
何度も同じことを書いていますが、筋トレとタンパク質の補給はセットです。
タンパク質の補給がないと、身体は必要な栄養素を筋肉(と脂肪)を分解することによって補おうとしてしまいます。
必ず「筋トレ後2時間以内のゴールデンタイム」を目安にして、プロテインなり食事なりで十分なタンパク質を摂取するようにしてください。
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SAVAS(ザバス)・Weider(ウイダー) のようなお菓子メーカーが作るプロテインもありますが、私はアスリート御用達のドームが作っている DNS のボエイプロテインをオススメしています。
スポーツオーソリティなどの店舗で、棚のフェイスを大きくとっている赤い袋のアレですね。
本気で早く筋肥大を目指すのであれば、カゼインプロテインも就寝前に飲むようにしましょう。
就寝中は栄養補給ができずに筋肉が分解される時間ですが、吸収の遅いカゼインを寝る前に飲むことで、朝まで身体をタンパク質で満たしておくことができます。
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こちらもDNSから「ホエイプロテイン スロー」という名前で販売されています。個人的に、DNSのプロテインで唯一美味しくないミルク味です(他に味はないのが欠点ですね…)。
意識的にタンパク質を摂る食事だけでも 良いと思いますが、筋肉の成長には必須アミノ酸(Essential Amino Acid)も同時にバランスよく摂取する必要があります。
そのため、筋肉の成長を目的に作られているプロテインを飲むことが、効率的かつ早く筋肉をつけるための近道です。
焦らずに継続することがシックスパックの近道です
男らしいシックスパックを短期間で実現するためには、腹筋を鍛えながら皮下脂肪を落とすための減量も行なわなければいけません。
ボディビルディングをしている人は「減量しながら筋肥大は無理」と言いますが、科学的にはトレーニング初心者であるほど当てはまりません。可能です。
トレーニング年数 | 1年間でつく筋量 |
1年目 | 9.0 ~11.2 kg(1kg / 月) |
2年目 | 4.5 ~ 5.2 kg(0.4 kg / 月) |
3年目 | 2.2 ~ 2.7 kg(0.2 kg / 月) |
4年以上 | 0.9 ~ 1.3 kg |
これまで何もトレーニングしていない人は、何年も続けている人に比べて筋量が何倍もつきやすいので、「脂肪を減らしながら筋肉を増やす」ということを実現できます。
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そのため、摂取カロリーを消費カロリーよりも低くする「アンダーカロリー」の状態で脂肪を減らし、筋トレ+プロテインで筋肉を大きくすることで、減量しながら立派なシックスパックを作ることは十分に可能です。
これは私の経験談からも言えることで、「脂肪を減らしながら筋肉を増やす」は絶対に実現できます。
注意したいのが、「脂肪を減らす」と同時に「筋肉を増やす」なので、ダイエットとは違って体重はほとんど変動しません。体重が減るということは、筋肉の増加が物足りない水準ということです(脂肪はアンダーカロリーを維持するだけで、筋トレとは関係なく減るものなので)。
つまらない数字にはこだわらず、身体が日々変わっていることを実感してモチベーションを保ってください。
マットやプロテインなどの準備が整ったら、ぜひ Runtastic の Six Pack で憧れのシックスパックを手に入れましょう。