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その知識は古いかも!?プロテインを飲むタイミングは目的によって違います

プロテイン・パウダー

 

筋トレをしている人にとって必須アイテムのプロテインですが、その用途は筋肉を大きくする筋肥大だけではありません。

トレーニーが筋肥大のために飲むタイミングは「筋肉のゴールデンタイム」という言葉を聞いたことがあると思います。しかし、最近の研究ではよく言われる従来の時間が必ずしも正しいとは言えません(これまでの飲み方でも全く問題はありません)。

ということで、この分野の情報や議論は常に海外が非常に進んでいることもあり、今回は金太郎飴のような内容が多い日本語サイトを離れ、海外サイトにある最新情報をご紹介したいと思います。最新の「ゴールデンタイム」の参考にしてください。

ちなみに、「タンパク質の過剰摂取は危険」のようなことを書いてあるサイトは、全て科学的根拠のないフェイクニュースです。ろくに厚生労働省の『日本人の食事摂取基準』や海外の最新情報や研究結果の一次情報(英語)を読んでいないのでサイトの信憑性を疑ってください。

日本人の食事摂取基準 - 厚生労働省

プロテインの期待効果と種類

まず、一言で「プロテイン」と言っても、乳製品や植物由来などの違い含まれている栄養素の違いがあります。さらに、その種類によって飲む目的期待効果が異なります。

筋トレがメインだと「ホエイ(Whey)」「カゼイン(Casein)」しか触れる機会がないかも知れませんが、それはそれで全く問題ありません。

プロテインを飲む目的や期待効果

ご存知のとおり、プロテインは筋肉を増強するためだけの栄養素ではありません。プロテインは体の成長や傷ついた組織の修復、感染症や病気の予防などにも役立つ人間にとって必須のエネルギー源です。

プロテイン(Protein)と聞くと筋肉の話を連想しますが、直訳すると「タンパク質」という意味でしかなく、プロテイン自体は普段の食事からも摂取できるものです。

参考

タンパク質は、肉・魚・卵・乳製品・穀物・種子・豆類に多く含まれる栄養素です。

食事からタンパク質を補給することも十分に可能ですが、同時に脂質などで過剰なカロリーも摂取してしまう可能性があるため、効率的にタンパク質を取り込むためにプロテイン(パウダーなど)は非常に役立ちます。

プロテインの種類

次はプロテインの種類です。ネット通販(一部は個人輸入)を使えば、下記にある珍しいプロテインも全て日本で手に入れることができます。

種類成分
ホエイ・プロテイン
(Whey Protein)
乳製品をベースにしたプロテイン。全ての必須アミノ酸を含み、体内に素早く吸収される。
カゼイン・プロテイン
(Casein Protein)
乳製品をベースにしたプロテイン。全ての必須アミノ酸を含み、ゆっくり吸収されるため就寝前に摂取することが多い。
ソイ・プロテイン
(Soy Protein)
大豆をベースにした植物由来のプロテイン。全ての必須アミノ酸を含み、健康維持の効果も期待できる。
ピー・プロテイン
(Pea Protein)
エンドウ豆をベースにした植物由来のプロテイン。非必須アミノ酸であるシステイン(Cysteine)とメチオニン(Methionine)が少量含まれる。
ライス・プロテイン
(Rice Protein)
玄米をベースにした植物由来のプロテイン。必須アミノ酸のリシン(Lysine)が少量含まれる。
ヘンプ・プロテイン
(Hemp Protein)
ヘンプシード(麻の種子)をベースにした植物由来のプロテイン。食物繊維やオメガ3脂肪酸・オメガ6脂肪酸を多く含む。少量のリシンも含む。

「トレーニング後はホエイ」「就寝前にカゼイン」を飲むのを基本として、アレルギーの有無によってホエイ・カゼイン以外を選んでください。

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あらかじめ飲料にしているものもありますが、基本的にはどれも粉末状(パウダー)になっています。それを牛乳や水に溶かして飲むというのが一般的な摂取方法です。

プロテインパウダーとドリンク

プロテインを飲むタイミング(目的別)

それでは本題のプロテインを飲むタイミングですが、何を目指しているのかによって飲むべきタイミングは異なります。

  1. 筋肉を大きくする(筋肥大)
  2. ダイエット(体重を減らす)
  3. 筋肉の維持

それぞれ飲むタイミングや目的が異なるので、自分が目指すものに合った適切なタイミングと目的を確認して、効率的なプロテイン摂取を心がけてください。

筋肉を大きくする(筋肥大)

まずは、「筋肥大」を目指してプロテインを飲むケースです。筋トレをしている人にとっては、これが最も多い主目的でしょう。

プロテインを飲む目的とタイミング

筋肉を強く大きくするためには、レジスタンス運動(筋トレ)で消費される以上のタンパク質を摂取する必要があります。

これまでは運動後15分~60分の間が「Anabolic Window(筋肥大)のゴールデンタイム」と言われ、その時間にプロテインを飲むのが最適だと言われていました。

しかし、最近の国際スポーツ栄養学会(International Society of Sports Nutrition, ISSN)によると、「トレーニング後、2時間以内のタイミングであればいつでもいい」という研究結果が発表されています(2017年8月)。

プロテインの摂取タイミングについては、従来の有名なゴールデンタイム(15分~60分以内)に必ずしもこだわる必要がないというのが一つの考え方だということです。

また、筋トレをしている人は「飲むタイミング」よりも「プロテインを摂取すること」自体が重要だとされています。筋肥大を目指すにもかかわらず、筋トレをしてタンパク質を摂取しないというのは絶対にダメということです。

また、食事をしていない状態(空腹状態)でトレーニングをした場合は、運動直後に摂取することが推奨されています。終わったら間髪入れずにプロテインを飲むようにしましょう。

ダイエット(体重を減らす)

次にダイエットを目指してプロテインを飲むケースです。

プロテインにもカロリーがあるので、これはプロテインの活用方法としては知らない人も多いのではないかと思います。

プロテインを飲む目的とタイミング

まず、ダイエットのためにプロテインを飲む目的ですが、多くのタンパク質を摂取することで、その後の食欲を抑制する効果があります。

具体的には、GLP-1・PYY・CCKというホルモンを増加させ、その後の食欲を抑制させます(これらはよく噛むことで分泌させるホルモンで、よく噛むと食べる量を減らせるという有名な話を聞いたことがあると思います)。

飲むタイミングとしては「食事と食事の間」で間食のタイミングです。プロテイン・パウダーではなく、高タンパク質のスナックなどでも代替することができます。

食事の間にプロテインを摂取するだけで、その後の食事でカロリー摂取(食欲)が抑制されるという話ですが、にわかには信じられない人もいるでしょう。ただ、これは実際の実験結果で、Nutrition Journalという学術雑誌にも掲載されている内容です。

プロテインが食欲を抑制するという調査結果

簡単に言うと、「間食に高タンパクなスナックを食べたグループ」は、その後の食事で少ないカロリーを摂取する傾向があり、「間食にヨーグルトやチョコレートを食べたグループ」は、その後の食事で通常どおりのカロリーを摂取したという結果が掲載されています。

筋トレ+ホエイプロテイン摂取をしたことがある人は、その後の食事でイマイチ食欲が湧かない経験ありますよね(これはプロテインの効果だけではなく、トレーニングの疲れで食欲が減退しているのも一因としてあります)。

筋肉の維持

最後は、筋肉(筋量)の維持を目指してプロテインを飲むケースです。

筋肉の維持と聞くと、筋肉が衰えてきた老人が対象のようなイメージを持つかも知れません。しかしながら、実は「30歳を超えると毎年およそ3%ずつ筋肉が減少する」という研究結果があり、これを読んでいる人の多くにも当てはまる話、もしくは減少し始める30代が近い人も多いのではないでしょうか。

プロテインを飲む目的とタイミング

筋量の維持を目指す場合、プロテインの取り方が他のケースとは少し異なります。筋量が減るのを防ぐのが目的なので、毎日の朝昼晩の食事で均等に25-30gのタンパク質を摂取してください。

「毎回の食事」「均等にタンパク質を25-30g摂取」がポイントです。

普通の人は夕食で多くのタンパク質を摂取する傾向があるため、意識的に朝食でタンパク質を多くとる必要が出てきます。一般的なプロテインは1回で20g程度のタンパク質を摂取できるため、朝食と合わせて25-30gを摂取するのは、プロテインの力を借りれば決して難しい話ではないと思います。

プロテインの摂取方法まとめ

最後に、ここまでの内容をラップアップしておきます。

せっかくプロテインを飲むのであれば、目的に応じて、正しい摂取量・摂取方法で効果を最大化させましょう。

  • プロテインには色々と種類がありますが、乳製品のアレルギーがなければ「ホエイ」「カゼイン」を飲めば良いです
  • 筋肉増強(筋肥大)を目指す場合、「ホエイ・プロテイン」を筋トレ後2時間以内に飲んでください(プロテイン自体を摂取しないのは絶対NG)
  • ダイエットを目指す場合、食事と食事の間にプロテインを飲めば、その後の食事で食欲を抑制することができます
  • 筋量維持を目指す場合、朝昼晩の食事で毎回25-30gのタンパク質を摂取してください(プロテイン1杯で20g程度摂取できます)

上記は海外の研究結果として発表されている内容ではありますが、実際には人それぞれ生活パターンや体質があります。色々と試してみて、自分に合ったやり方を見つけるのが、目指すゴールへの近道でしょう。

筋トレをしている人がプロテインや食事で十分なタンパク質を補給しない場合、トレーニングで筋肉が分解され回復も遅くなり、目的とする筋肥大とは程遠い結果を招いてしまいます。このような間違いがないためにも、基本は科学的な裏付け(エビデンス)のある話をベースにして自分に合ったやり方を探ってください。

カゼインについては個別に記事を書いているので、興味があれば読んでいただければ幸いです。

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