家庭用のフラッシュ脱毛器では圧倒的な売り上げを誇るケノン(KE-NON)ですが、男性のヒゲ脱毛への効果については評価が分かれているようです。医療機関やエステでも施術回数が増えがちで難しいパーツですから当然でしょう。
見識のある脱毛マニアが集まる5ちゃんねるの美容整形板でも、ケノンは「ヒゲへの効果は分かれる。効いたらラッキー!」というのがテンプレートになっていますね。
ただ、私個人としては満足できるレベルでヒゲ脱毛できた(ほとんど生えてこなくなった)こともあり、脱毛のメカニズムからも「ヒゲだから効果がないという理由はない」と考えています。
ここまで来るのに8ヶ月ほどかかりましたが、今ではヒゲが伸びてきたら照射する(その後に剃るか抜くか)程度です。永久脱毛ではないので、完全に何も生えてこない・・・ということではありません。
そもそも、ヒゲ毛が生える仕組やフラッシュ脱毛の仕組、ヒゲと他のパーツの違いなどを考えれば「ヒゲだから効果がない」ということは科学的な合理性はないでしょう。ただし、「ヒゲには効果がない」と勘違いしてしまう理由はあると思うので、これについても後ほど説明したいと思います。
ケノン(KE-NON)について詳しく知らない人は、まずは公式サイトで商品について情報を確認してみてください。ケノンは家庭用脱毛器では圧倒的な売り上げNo.1の定番商品です。
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(特にヒゲには必須です)
ちなみに、私はレーザー脱毛器のトリア(tria)も買いましたが、使用から3ヶ月で諦めてケノンにスイッチングしました。男性では珍しいであろう複数製品の経験者でもあります。
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ケノンで上手にヒゲ脱毛をする方法
まず、ケノンでヒゲ脱毛を行う際に一番大事なことをお伝えしておきます。これさえ押さえておけば「失敗」はありえません。
- 投げ出さずに継続すること
冗談ではなく、これだけです。自宅脱毛の手軽さを活かして諦めずに続ければ、きっと満足のいく結果を得られると思います。
一言で「ヒゲ」と言っても「くちひげ(髭)」「あごひげ(鬚)」「ほおひげ(髯)」があり、それぞれ毛周期・密度・毛包までの深さが異なります。そのため、それぞれのヒゲの特徴を理解したうえで、なかなか効果が出なくても「こういうものだ」と思って使い続けることが重要です。
ヒゲへのケノンの使い方
それでは、実際にどうやってヒゲにケノンを使っていくかを説明していきます。
公式では推奨されていない使い方が含まれます。肌の色・肌の強さ・痛みへの強さなど、自分にあった方法を使いながら探ってください。
下記の方法は、対象とする部位(くち・あご・ほお)による違いはありません。
- フラッシュを当てる部位はキンキンに冷やす
- 高出力なカートリッジ・照射レベルを使う
- 推奨される頻度よりも多く使う
残念ながらケノンの脱毛に医療脱毛やエステのような強い効果はありませんが、これさえ継続すれば「ヒゲを剃る手間」や「青ひげ」から少しずつ少しずつ卒業ができるでしょう。自宅脱毛に即効性がないのは、他の部位も同じでヒゲ固有の話ではありません。
ということで、それぞれの内容について少し踏み込んで説明していきます。
1. フラッシュを当てる部位はキンキンに冷やす
まずは、フラッシュ照射する箇所をキンキンに冷やすことを忘れないでください。ケノン本体に同梱されている不凍液が配合された保冷剤ではダメで、もっとカチカチに凍る保冷剤を使いましょう。フラッシュを照射する直前に、5-10秒ほど肌を冷やしてください。
これはフラッシュ照射による肌へのダメージを抑えることが目的です。顔の皮膚が薄いことや次に説明する照射レベルの高さの話もあるので、フラッシュ照射による熱で皮膚がヤケドしないように気を付けてください。ヤケドによる傷は色素沈着の原因にもなります。
そもそも、プロが対応しているエステの脱毛や医療機関の永久脱毛であっても、人によっては肌トラブルが起こってしまうのが「脱毛」という行為です。
なくならない脱毛施術による危害 - 独立行政法人国民生活センター
脱毛は毛包幹細胞や毛乳頭に熱ダメージを与えることで目的を達します(自宅用やエステ用の脱毛器機では医療行為となる熱変性は行えません)。要するに「熱」によって脱毛の効果を得られるのが脱毛のメカニズムのため、冷やし過ぎは良くない(効率を悪くする)とも考えられますが、そもそも肌に問題を抱えては元も子もなくなってしまいます。
ヒゲ脱毛は継続が命なので、細く長く続けられるように慎重に行いましょう。
2. 高出力なカートリッジ・高い照射レベルを使う
ヒゲを狙って脱毛する場合、ケノンを使ううえで一番重要だと考えられるのが「カートリッジ」と「照射レベル」です。
ケノンを使ったヒゲ脱毛に挑戦するにあたって、使用するカートリッジは「ストロング」で「照射レベル10」を基本にしてください。正直、毛が集中して生えているあごひげに照射するときは、皮膚をキンキンに冷やしても痛いことが多いです。覚悟しましょう。
下記は "Richards-Merhag table" という「部位ごとの毛の密度と毛包までの深さ」を一覧にしたもので、これを見るとヒゲが強敵である理由が分かると思います。
部位 | 密度(本/cm2) | 毛包の深さ |
頭皮 | 350 | 3 - 5 mm |
ほお | 880 | 2 - 4 mm |
あごひげ | 500 | 2 - 4 mm |
くちひげ | 500 | 1 - 2.5 mm |
わき | 65 | 3.5 - 4.5 mm |
ビキニ | 70 | 3 – 5.5 mm |
腕 | 80 | 2 – 4.5 mm |
脚 | 60 | 2.5 – 4 mm |
ヒゲは髪の毛(頭皮)よりも毛が密集している部位となっています。密度が濃いということは1回のフラッシュを照射で反応するメラニン色素が多いということで、1回あたりの熱量が分散されてしまうということにもなります。
そのため、どうしてもヒゲが100%の状態で存在する最初は熱の効果が分散してしまい、他の部位に比べてヒゲ脱毛は効果を実感しにくくなってしまいます。これが冒頭で紹介した「ヒゲ脱毛の効果は評価が分かれる」という話につながっているのでしょう。
ということで、ただでさえ毛の密度が高いヒゲにも関わらず、フラッシュ照射のパワーが分散してしまうため、ケノンでは「ストロングの照射レベル10」を使って、可能な限り強いフラッシュで毛包に熱を伝えることが重要です。
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3. 推奨される頻度よりも多く使う
ケノンの取扱説明書では、脱毛する頻度を「約2週間ごとに最低4-5回」と記載されています。部位ごとに細かく書いているわけではないので、肌への負担や部位ごとの休止期・成長期の平均をとった結果でしょう。
実際のサイクルは下記(Richards-Merhag table)のとおり、部位ごとに毛包の休止期・成長期の長さが異なっています。
部位 | 休止期 | 成長期 |
頭皮 | 3-4 months | 2-6 years |
ほお | 1 year | - |
あごひげ | 10 weeks | 16 weeks |
くちひげ | 6 weeks | 6 weeks |
わき | 3 months | 4 months |
ビキニ | 3 months | 4 months |
腕 | 18 weeks | 13 weeks |
脚 | 24 weeks | 16 weeks |
Understanding Hair Removal - Laser Spa Group(英語)
さらに、存在する毛包の休止期・成長期の割合も部位ごとに異なります。もちろん、休止期の毛包にフラッシュを当てても意味がありません。
部位 | 休止期 | 成長期 |
頭皮 | 13% | 85% |
ほお | 30-35% | 50-70% |
あごひげ | 20% | 70% |
くちひげ | 35% | 65% |
わき | 70% | 30% |
ビキニ | 70% | 30% |
腕 | 80% | 20% |
脚 | 80% | 20% |
脱毛は上記の休止期・成長期を考えて計画的に行うことが重要です。ケノンよりも高出力な器具を使うメンズエステの場合、目安として1ヶ月に1回の施術を推奨していますね。
さらに、毛包による成長期・退行期・休止期のサイクルは遺伝・年齢・体型などで人それぞれです。これが数年にも渡る施術を勧めるようなクリニックもある理由です(確実を求めるなら、年単位も視野に入れる必要があるということです)。
The Life Cycle of a Hair and Electrolysis - Hair Free
部位 | 毛周期 |
あご | 14 months |
上唇 | 5 months |
わき | 5 months |
鼠径部 | 8 months |
腕 | 10 months |
脚 | 11-12 months |
さらに、上で書いたとおり、ヒゲは「他の部位に比べて毛の密度が高い」ので、「照射した熱が分散する」という固有の事情もあります。家庭用のケノンはメンズエステなどで使う器具よりもパワーが弱く、始めたての頃は対象となる毛包も多い状態のため、とにかく毛包に熱ダメージを与えることを意識したほうが良いでしょう。
私の場合、毛が伸びなくなって生える量が減る実感も早かったのですが、最初の頃は2-3日に1回のハイペースで照射していました。
もちろん、やみくもに頻度を増やしたら脱毛できるわけでもなく、フラッシュの影響を受けていない休止期の毛包が成長期に入ったら生えてきます。このサイクルに対して、某YouTuberの祭りくじの「減ったら足すだけ」ならぬ「伸びたら打つだけ」の繰り返しですね。
1回の照射で熱変性するほどのダメージを毛包幹細胞に与えられるわけではないので、これは照射頻度を高めて少しでもダメージを与えることが重要です。
抑毛効果の実感から脱毛へ
ヒゲ脱毛は強敵とは言いつつ、抑毛効果は割と早めに実感できるはずです。ケノンを使う前は夕方には無精ひげになっていた人でも、夕方になってもヒゲが伸びてこない(伸びが遅い)ことにすぐ気付くでしょう。
これは確実に毛包に影響(必ずしも脱毛効果ではありません)を与えられているサインで、これをモチベーションに継続するようにしてください。密度の低いほお(もみあげの下)のヒゲであれば、すぐに生えてくる量も減っていることを実感できると思います。さらに、生えてくる量の減少と共に青ひげ状態が改善していることにも気づくでしょう。
ただし、家庭用脱毛のイメージは下記のように「徐々に減っていく」というスピード感です。
毛周期の話もありますが、そもそも「もう生えてこない」というレベルで脱毛できていないケースも往々にあります。これは「スルッと抜けたけど生えてきた」という話ですね。
他のパーツに効いて「ヒゲには効かない」理由はありません
ここまで書いてきた内容からお分かりのとおり、冒頭に載せた「ヒゲへの効果は評価が分かれる。効いたらラッキー。」ということはないと考えています。
フラッシュを照射でダメージを与えたいヒゲ(あご・くち)の毛包は、ワキ・ビキニラインよりも浅いところ(2.0-3.5mm)に存在します。フラッシュ照射による熱は十分に届くわけですね。これでダメなら、より毛包が深いところにあるワキ・ビキニラインも効果が見込めないことになりますが、実際のところはワキは効果が実感しやすい箇所の代表例です。
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ただ、毛の密度が圧倒的に濃いので「パワーが分散する」のと、口ひげ・あごひげは照射部分が形状的に「うまく当てにくい」という難点があります。これを理解して挑むことが重要です。
ケノンを使う理由を再確認しましょう
ヒゲであろうと誰にでも間違いなく効果はあるので、評価は「その人の期待値に応えられているか否か」の問題でしょう。
要するに、「少ない回数で早く脱毛する」という目的の場合、家庭用の脱毛器はケノンに限らず実現できません。メンズエステか医療機関に行きましょう。
ちなみに、国民生活センターの調査(下表)を見る限り、医療関・エステサロンでも問題がないわけではないので注意が必要です。高出力な器具を使う分だけリスクも高くなります。
何はともあれ、ケノンを使う理由は「安く」「いつでも」「自分のペース」で脱毛できることですよね。無理なく結果が出るまで使えることこそが家庭用の脱毛器を使う強みなので、そのメリットを忘れずに根気強く取り組むことが重要です。
最後に、ヒゲ脱毛を行うにあたって重要なポイントを再掲しておきます。
- フラッシュを当てる部位はキンキンに冷やす
- 高出力なカートリッジ・レベルを使う
- 推奨される頻度よりも多く使う
そして、この3つに加えて何よりも大切なのが「継続」です。繰り返しになりますが、構造にはワキ・ビキニラインよりも作用しやすいのがヒゲ(くち・あご)です。少しの変化を実感しながら継続しましょう。
ぜひ、ヒゲを剃る手間がからず青ひげのない美肌を手に入れてください。
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