Google Search Console(GSC) で確認できる「上位リンク元サイト」を定期的に確認していますか?
Google Search Console - Google
全く身に覚えのないようなドメインから大量の被リンク(バックリンク)が貼られているときは注意が必要かも知れません。
怪しい被リンクの特徴としては、システム的に作られた外部リンクばかりのサイトで、アンカーテキスト(リンクテキスト)がリンク先に全く関係のない内容になっている海外のサイトが多いです。
そういうリンクを発見したときは、Googleが用意している「リンクの否認」を使って、そのリンクが自分のサイトに悪影響を与えないように対応しましょう。
リンクの否認(Disavow Links Tool) - Google
私は過去にGoogleから2回ほどペナルティ(手動による対策)を経験しているのですが、その2回とも「リンクの否認」を使ってペナルティ解除を受けることができています。少し特殊な背景ですが、これについても最後に経験談として載せておきます。ぜひ参考にしてみてください。
リンクの否認(Disavow Links Tool)とは
リンクの否認とは、簡単に言うと「指定したリンク元(ページ・サイト)を自分のサイトの評価に使わないようGoogleに伝える機能」です。
意図していない不自然なリンクなどがあり、それによってGoogleによる自サイトの評価に悪影響を与えている(与えると予想される)ときに使用します。
バックリンクを否認する - Search Console ヘルプ
一昔前は被リンクの質と量でサイト評価を高めることが可能でしたが、Googleは一貫して「コンテンツの質を重視する」とアナウンスしています。一方、2019年3月のコアアップデートでは、被リンクの質と量への回帰が見られます。
明らかにおかしなリンクはGoogleもサイトの評価から排除しているはずですが、Googleによる被リンク自体の評価が揺らいでいるのも事実なので、サイト運営者の心情としては少しでもマイナスの要素は取り除いておきたいですよね。
サイト運営者がGoogleに対して能動的に情報を伝えられる数少ない手段の一つが、この「リンクの否認」という機能です。
「リンクの否認」の設定方法と注意点
実際に設定しようとすると分かりますが、「リンクの否認」はGoogleも極めて慎重に取り扱うよう注意を促しています。それだけダイレクトにサイトの評価につながる情報だということです。
設定する際はファイルの中身はもちろん、きちんと機能も理解したうえで使うようにしましょう。
リンクの否認を設定する方法
「リンクの否認」はSearch Consoleの1機能として提供されていますが、メニューとしては存在していません。
下記ヘルプページの下部にある「リンクの否認ツールのページ」へのリンクをたどります。
バックリンクを否認する - Search Console ヘルプ
設定までの流れは以下のとおりですが、まずはページへのアクセスよりも否認するURL・ドメインの選定が先です。
- Search Consoleで否認するURLまたはドメインを選定
- テキストファイルで否認するURLまたはドメインを記述
- 作成したテキストファイルをアップロード
Search Consoleで否認するURLまたはドメインを選定
否認するURL・ドメインはSearch Consoleの「リンク > 外部リンクをエクスポート」で確認するのが定石です。
ここにある被リンクを確認して、ここに怪しいサイトがあれば否認しましょう。特定サイトからのリンク数が少数であれば無視しても問題ないと思います。
GSCのリストにないリンクは「Googleが認識していないリンク」で、それは検索順位には影響しないことをGoogle社員がツイートしています。
テキストファイルで否認するURLまたはドメインを記述
否認するリンク元が決まったら、それをGoogleに伝えるためのテキストファイル( ,txt )を作成する必要があります。
メモ帳(WIndows)でもテキストエディタでも何でもいいので、下記のように URL(FQDN)かドメインを1行に1つずつ記述します。
https://www.hoge.com/hoge/hoge.html
domain:praxis-reiser.info/
domain:willykbidss.ga
ドメインを指定する場合のみ、「 domain: 」を先頭につけて後ろにドメインのみを記述します(上記ドメインは私が実際に設定している内容です)。URLはhttp(s)から始まる絶対パスです。
あとは文字コードを UTF-8 または 7-bit ASCII にして保存してください。
メモ帳やテキストエディタでは、保存時に「名前を付けて保存」を選べば、保存する文字コードを選択できます。
作成したテキストファイルをアップロード
テキストファイルの作成まで完了したら、あとはリンクを否認したい「サイト(自分の運営するサイト)」をプルダウンで選んで、「リンクの否認」からファイルをアップロードするだけです。
Google Search Consoleに「ドメインプロパティ」だけでサイトを登録しているとリンク否認は使えません(プルダウンにサイトが表示されない)。「URLプレフィックス」でサブドメインなどを含むサイトのURLで登録するようにしてください。
それでは、準備が整ったら下記ヘルプページにある「リンクの否認ツールのページ」のリンクから進んでください。
バックリンクを否認する - Search Console ヘルプ
しつこいくらい注意が必要なことを確認されますが、無効にするリンクの内容に間違いがなければ気にする必要はありません。
また、アップロードの形式などに不備があればエラーになるだけなので、アップロード自体は臆せずに実行してしまいましょう。何度でも上書きでき、後から削除することも可能です。
リンクの否認の注意点
内容に自信があれば何も気にせずにアップロードして問題ありませんが、あくまでも「通常は実施する必要のない対応」なのがリンクの否認です。
そのため、「もしかしたら害があるインバウンドリンクかも?」程度の感覚ならリンク否認を行う必要はないでしょう。
ただし、Search Consolenのヘルプページにある「手動による対策が適用された場合、または手動による対策が適用されそうだと思われる場合は~」よりは少し幅広に考えて、「システム的な低評価・ペナルティを受けていると思われる場合」もリンク否認は活用すべきだと思います。
「リンクの否認」をしても、Search Consoleからはリンク元の情報が消えることはありません。否認したリンクが表示されていたとしても、それはリンク否認の有効性とは別の話で問題ありません。
リンク否認の効果(経験談)
最後に、私が経験した Google の「ペナルティ(手動・自動)」と「リンクの否認」について書いてみたいと思います(このサイトとは関係ありません)。
上のほうでも書きましたが、リンクの量が検索結果でものをいう時代があり、企業はこぞってガイドラインに違反するブラックハットな外部リンクを購入していました。数万リンクといった単位です。
しかし、Googleのサイト評価の進歩により、そのようなリンクはサイトの評価を下げる害悪のある被リンクとなり、そのようなサービスを提供している企業も続々と撤退していきました。
管理者がいなくなったバックリンクはネット上のゴミとして存在し続け、過去に有料リンクを買っていた企業サイトに対して、Googleの「手動による対策」という形で放置したツケを払わせにきました。これを経験したWeb担当者は少なくないでしょう。
サイトへの不自然なリンク - リンクへ影響する対策を実施
このサイトのページへの不自然な人為的、偽装、または不正なリンクのパターンが検出されました。
一部のリンクはウェブマスターが制御できない可能性があるため、この件に関してGoogleではサイト全体ではなく不自然なリンクに対して必要な対策を実施します。
ある日突然、Search Consoleで「手動による対策」のメッセージを受け取った担当者は、Googleのメッセージにある「不自然なリンク」の原因を考えた結果、過去に購入した被リンクが原因だろうという結論に達します(通常、これしかありません)。
ここからが恐ろしいところで、リンクを買ったときの企業が既に存在せず、無数にある被リンクを削除できないという状況が往々にして起こります。そうなると、残された手は「リンクの否認」しかありません。そこからは上の記事で書いたとおりの作業が始まります。
Search Consoleでリンク元URLをダウンロードして、「リンクの否認」をするURLの選定に入るわけですが、大規模なページであればあるほど大変な作業です。今のGSCは10万件をDLできますが、当時は上限1-3万件しかDLできずデータの更新も遅い時代でした。
一つ一つリンク元の内容を目で見て否認するか否かを判断していく作業を行い、否認するリストを更新しながら、毎日ファイルをアップロードしてリストを上書き更新する根気のいる作業です。
そして、1週間後にGoogleに対して再審査リクエストを申請して、無事に「手動による対策」は解除されました。
ただ、その後も1ヶ月くらいは否認リストのアップデートを繰り返し、結果として「ドメイン10件・URL 28,000件」という膨大なリンク否認リストが出来上がりました。恐らく、否認すべきURLは今も潜在しているでしょう。
これはペナルティに思い当たる節もあり、非常に分かりやすい例ですが、「リンクの否認」がGoogleの確認を経て有効に働いた一つの事例です。
昨今は有料リンクやリンクプログラムに参加しているようなサイトは少ないと思いますが、一つの参考になれば幸いです。