2015年10月から始まった「マイナンバー制度」は住民票のある個人向けの数字(12桁)ですが、実は法人にも13桁の法人番号という一意の数字が割り当てられています。
そして、この法人番号を調べるために用意されたサイトを使うと、自宅を事務所にしていると思われる一人会社(いちにんがいしゃ)のような法人を探すことができます。ただし、あくまでも自宅兼事務所だと「推測できる」というレベルです。
「だからなに?」という話以上のものはありませんが、人によっては色々と役に立つ情報も得られると思うので、今回は「法人番号」を使って楽しめそうなことをご紹介したいと思います。
法人番号とは
まず、普段は聞き慣れない法人番号についてです。この法人番号とは、商業登記の会社法人等番号12桁の先頭に1桁のチェックディジットを加えた13桁の数字です。
個人のマイナンバー(個人番号)は「特定個人情報」と呼ばれ、管理区域・取扱区域厳格な管理が求められており、本人の同意があっても利用目的を超えた利用が禁止されています。それだけ重要な情報に指定されています。
一方、法人番号(企業版マイナンバー、法人版マイナンバー)は全く性質の異なったもので、インターネット上で「法人番号」「商号または名称」「本店または主たる事務所の所在地」が公表されています。つまり、全世界に公開されている情報だということです。
法人番号公表サイト - 国税庁
法人番号公表サイトで分かること
個人の日常生活においては存在すら知らなくても何も支障がない「法人番号」ですが、下記のようなことを知ることができたら色々と楽しめそうです。
- 知っている場所に会社が存在している
- いつごろ会社が設立・移転されたのか
- 自宅を法人の本社(事務所)にしていそう
- 会社があったけど閉鎖(清算/廃業)された
マンション・アパートのような集合住宅に住んでいる人は、同じ建物の部屋で登録(登記)されている法人があると興味をそそられますよね。
私の場合、同じマンション内に3社ほど法人が存在していました。デザイナーをしていると聞いていた家庭は個人事業主だと思っていたのですが、この検索によって「登記された合同会社」でやっていたことを初めて知りました。
他にもお金持ちが多いと聞いていた隣のマンションにも何社か法人があったり、これまで知らなかったご近所さんの事情が少し見えた気がします。もちろん、それ以上の意味はありません。
目的は法人番号を調べること
法人番号公表サイトの目的は、あくまでも法人番号を調べることです。法人名称(商号)は間違いありませんが、所在地については本社もしくは主たる事務所として登記されている情報に限定されます(複数の支店や拠点があるかも知れません)。
要するに、代表者の自宅以外に事務所を構えているような規模の法人になると、調べても会社のホームページを作って公開されているような情報しか確認できません。わざわざ公表していない情報があるとしたら、変更履歴で他社を吸収合併したなどの情報が分かる程度でしょう。
そのため、どこまでいっても「自宅周辺にある自宅兼事務所にしていそうな法人」を見て楽しむくらいの目的になります。
一部を除き、法人番号公表サイトには登記された民間の法人は必ず掲載されます。営業や宣伝で「怪しい」と思った場合、会社名を検索して実在するのかを調べるということにも使えます。
自宅周辺にある法人を調べる方法
それでは実際に法人(所在地・法人番号)を調べる方法を説明していきます。
国税庁の法人番号公表サイトにアクセスして、あとは調べるための検索条件を入れるだけなので迷うポイントはないでしょう。
法人番号公表サイト - 国税庁
法人番号から調べることはないはずなので、その下にある「商号及び所在地などから法人番号を調べる」を使って検索していくのが基本になります。
ここでは「郵便番号」または「所在地」のどちらか一方を検索条件にすることになります。
所在地での検索は「都道府県」「市区町村」「丁目番地等」の絞り込みができ、都道府県だけの指定でも検索することができます(あまりにも広範なので、この後に載せる検索条件を指定して使うのが一般的でしょう)。
「都道府県」「市区町村」まではプルダウンで決まった選択肢から選ぶことになりますが、「丁目番地等」はテキストボックスにキーワードを自分で入力してください。これは部分一致にも対応しているので、「アパート名やマンション名」などを入れるだけでも検索結果が表示されます。この使い方が一番有用だと思います。
下の画像は郵便番号で検索した結果です(郵便番号100-0001の千代田区千代田1番1号を検索した結果)。
このように、指定した郵便番号に合致する法人番号が一覧で表示され、他には何も指定していないので検索結果には社団法人や官公庁も含まれています。「法人種別」「閉鎖等」「法人番号指定年月日」などで絞り込むこともできるので、知りたい情報がピンポイントである場合には活用してください。
ご近所さんの法人を調べるであれば、指定するのは「株式会社」「有限会社」「合名・合資・合同会社」になると思います。
法人番号の情報から分かること
それでは検索結果の「履歴等」をクリックして表示される法人の情報から分かることを説明していきます。
ここでは該当の法人に関する下記の情報が分かります。
- 法人番号
- 商号または名称(とフリガナ)
- 本社または主たる事業所の所在地
- 変更履歴情報
サンプルとしてトヨタ自動車株式会社の情報を見てみると、下記のような情報が確認できます。
これが一人会社のような法人の場合、所在地がマンションだったりアパートだったりするわけですね。きっと自分の住んでいる近所にある建物にもあるはずです。
また、「変更履歴情報」という項目で、その法人に関する登記事項などで変更があった内容も表示されています。
多くの法人で法人番号指定年月日が「平成27年10月5日」になっていますが、これは法人番号の運用が開始されたタイミングで、平成27年10月5日よりも前に存在(登記)していた法人は全て同じ年月日になっています。
閉鎖・廃業した会社の場合、その日付もここに載っています。
全て国税庁が公開している情報なので悪用も何もない情報だと思いますが、普段の生活では全く縁のない法人番号公表サイトを使って遊んでみる方法をご紹介してみました。世の中にある仕組みの一つとして、興味があればぜひ使ってみてください。